ジェイゾロフトとは
世界中で幅広く処方されている『ゾロフト』はアメリカで1991年にFDAから認可が下り発売されています。
日本では『ジェイゾロフト』という商品名で2006年から認可が下り処方が開始されました。
気分を高める作用を持つ神経伝達物質の一つであるセロトニンの再取り込み機構を選択的に阻害します。
うつ病の人は、シナプスにおけるセロトニンの濃度が低下するのが特徴です。
この現象がうつ病などの気持ちの障害が発現する原因といわれています。
ジェイゾロフトは、シナプス間隙(末梢神経と受容体のすき間)のセロトニン濃度を上昇させ
効果発現をする薬剤です。
抗うつ作用や抗不安・パニック障害作用を示します。
幸せのホルモンとも呼ばれるセロトニンですが、この物質が増えれば、
不安を取り除いたり、イライラ感が解消されたり、意欲が湧いてきたりと、
精神面での安定の維持につながります。
また、ジェイゾロフトはセロトニン系と呼ばれる神経のみに働くのが特徴で、
従来の抗うつ剤と比べ副作用も少なく、新しい第3世代の抗うつ薬とされています。
薬物動態は、血中濃度で約6〜8時間後に最高濃度に達し、
半減期は約24時間と効き目が持続するため、1日1回の服用で済みます。
昨今ではうつ病の主要薬として認められ、世界で最も多く処方されているSSRIとなっています。
ジェイゾロフト錠の服用方法
ジェイゾロフトはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬) と呼ばれる第三世代の抗うつ剤であり、
使用にあたりリスクとべネフィットを考慮しなければなりません。
通常、成人は1日25mg〜100mgまでを上限としており、この量を超えない範囲で服用します。
1日1回、水またはぬるま湯で服用して下さい。
自己判断で服用を増減したり中止しないようにしてください。
ほとんどの抗うつ剤は、離脱症状(不安・頭痛・興奮・焦燥・めまいなどの症状)を
起こす可能性がありますので、必ず主治医の指示のもとよく理解して服用することが大切です。
離脱症状は、抗うつ剤を減らしたり中止したりすることで血中濃度の急な変化が生じ、
それに身体が対応しきれないために起こる副作用です。
また、ヨーロッパで抑うつ症状に対して広く処方されているセイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)を
併用すると、セロトニン作用が増強される恐れがあり重篤な副作用が起こる可能性があります。
因果関係ははっきりしていませんが、病状の悪化・攻撃性・自殺念慮・
他人を傷つけるなどの事例も報告されています。
ですので、ジェイゾロフトを服用する際は必ずセイヨウオトギリソウを含む食品を
摂取しない様にしてください。
なお、直射日光、高温、湿気を避け、乳幼児、小児の手の届かないところで保管してください。
ジェイゾロフト錠の副作用
ジェイゾロフトは新しいタイプの、副作用の少ない抗うつ薬であり安全性が高いと言われています。
他の抗うつ剤と比べると比較的副作用が少ないジェイゾロフトですが、それでも意外に多いです。
例えば、吐き気・食欲不振・眠気・頭痛・下痢・便秘・発熱・口の渇きなどの副作用が報告されています。
抗うつ剤に「不眠」の副作用はよくみられますが、不眠を改善するためには、
増薬のペースを緩めることで副作用の程度が軽くなるということもあります。
また人によっては、衝動的・攻撃性が現れたり、悪夢にうなされたりなどの精神的変調をきたし、
かえって悪い結果を招く恐れがあります。
ジェイゾロフトに重い副作用は頻度的ありませんが、他の薬や抗うつ剤との飲み合わせ、
相互作用によって引き起こされる「セロトニン症候群」が起こる可能性があります。
セロトニン症候群は、自律神経系・体神経系・脳認識機能の、3つの主神経系に
影響を与えると言われています。
セロトニン症候群の症状として、不安・混乱・イライラなどの自律神経系の症状、手足の震え・
眼が勝手に動く・体が固くなるなどの体神経系の症状、発汗・発熱・下痢・脈拍の上昇などの
脳認識機能の症状があります。
必ず主治医とよく相談し、ジェイゾロフトを服用することが大切です。
もしも不調が続く場合は、必ず主治医に連絡してください。
ジェイゾロフト錠を病院で処方してもらう場合の流れと価格
まずは精神科・心療内科などで診察を受けます。カウンセリングと呼ばれることもあります。
初診から完全予約制の心療内科・精神科も多いので、
事前にホームページや電話などで確認してから来院すると良いでしょう。
初診の場合は問診票への記入後に、診察(カウンセリング)を受けます。
症状や悩みなどを医師に話します。
これまでの治療の経験や今飲んでいる薬があるかないか、などです。
医師が投薬が必要と判断した場合には・薬の効能・副作用・服薬時の注意点などについて
はじめにわかりやすく説明してくれます。
病院によっては、一般的な検査が行われる場合もあります。
患者本人にあった薬を実際に服用して経過を見ながら医師が決定していきます。
医師によって薬に対する考え方や投薬量が違いますので、信頼できる医院を選びましょう。
症状の改善には、個人差があり、数ヵ月から1年ほどかかる場合もありますので、
投薬と定期的な通院は症状が安定するまで必要になってきます。
十分な休養をとりながら抗うつ薬の服用を始め、症状のぶり返しを予防するために数ヶ月治療を続けます。
抗うつ薬の服用を続け、日常生活や職場に戻れるように慣らしていきます。
ジェイゾロフトの場合薬価は、25mg1錠106.00 円・50mg1錠184.70円になります。
初診料・診察料・処方箋料などが別途かかりますし、定期的な通院は必ず必要とされますので、
事前に価格を問い合わせ、病院を決めてもいいでしょう。
抗うつ剤といっても沢山の種類があり、ジェイゾロフトの他にも、
サインバルタやパキシル、ノリトレン、トリプトファンなど通販で購入することもできます。
離脱症状とは?
離脱症状とは、薬の服用を中止しようとする際に、身体的・精神的に
不快な症状に襲われる状態のことをいいます。
例えば、ニコチン中毒(依存症)の人がタバコが切れた時に、イライラや不安感などの症状が現われるのも
離脱症状といえます。
服薬に関していえば、服用中の薬を急に減らしたり中止したりすることで起こる副作用のことをいいます。
具体的な症状として、イライラ・落ち着きのなさ・食欲不振・吐き気・めまい・緊張・頭痛・肩こり・
発汗・悪心・動悸・痙攣・幻覚など、様々な症状が現れます。
これらは服用していた薬や服用期間、個々の状態によって症状が出現する時間も異なります。
では、なぜ離脱症状があらわれるのでしょうか?
一般的に薬は何らかの改善するべき症状がある場合に服用します。
改善をするための成分を含む薬を服用している間は定期的に
一定量の成分が体内に取り込まれていることになります。
すると、わたしたちの体はその成分が定期的に入ってくるものだと認識し、調整をするようになるのです。
服薬を休に中止すると、自律神経など、体の中のいろいろなバランスが崩れてしまい、
場合によっては薬を飲む前よりも症状が悪化することもあります。
自己判断で薬を中止したり量を減らすことは絶対にしないようにしましょう。
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